こんにちは、赤虎(@akatoramedaka)です。
先日、投資を始めた長男のことを記事にしました。
それから、少しづつですが我が家の会話の中にお金や投資に関することが増えてきました。
で、ある日。
リスク許容度ってなに?
ということで、整理してみました。
- そもそも投資における「リスク」ってなんだ?
- 「リスク」にはどんな種類があるのかな?
- 「リスク」&「リターン」は数値化できるのか?
- 「リスク」&「リターン」とどう向き合うのか?
- 「リスク許容度」とは何か?
投資に関する本当に基本的な内容だと思うので、投資を始めたばかりの方や、今まさに興味を持って始めようとしている方にも参考になると思います。
最後まで読んでもらえたらうれしいです。
投資における「リスク」と「リターン」
投資における「リスク」とは何でしょうか。
一般的に英語の「risk」を和訳する時には「危険」と訳すことが多いでしょう。
しかし、投資において「リスク」というときには、「危険」ではなく「不確実性」を指す、というのが一般的な解釈です。
そして「リターン」とは、投資を行うことで得られる収益を指します。
例えば、個別株(商品A)に投資した場合、投資先企業の持つ固有リスクのため、期待リターンに対する不確実性が高くなります。
不確実性を和らげるためには株式ETFなど複数の投資先に分散して投資することで、企業固有のリスクを和らげることができます(商品B)。
個別株と株式ETFを比較した場合、一般的には個別株に投資したほうが期待リターンが高くなります。
期待リターンが高いものは一般にリスクも大きいため、リスクとリターンは表裏一体の関係と言えます。
その分リスクも高くなるんだね( ..)φメモメモ
例えば、金と金鉱株の場合も個別株とETFではリスク&リターンが変わりますね。
投資における「リスク」の種類
価格変動リスク
株式や債券の価格が変動する可能性のことです。
株式などの価格は、国内および海外の経済や政治の情勢などの影響を受けて変動します。
投資の際に一般的に「リスク」というときには、この「価格変動リスク」のことを言っていることが多いです。
流動性リスク
流動性リスクとは、例えば株式を売却しようとしたときに売ろうとした商品が市場での取引量が少なかったり、突発的な不祥事などで株価が急落した際などに売り注文が殺到して値段がつかない、などの状態により、売りたい価格で売れなくなる状態を指します。
信用リスク
信用リスクとは、例えば株式の場合は株式を発行している企業が破綻したり、不祥事を起こしたりして株価が暴落するなどして投資した資金が戻ってこなくなる(債務が回収できなくなる)状態を指します。
投資家自身が信用リスクの高低を判断するのは非常に難しいため、スタンダード&プアーズ(S&P)やムーディーズといった外部の格付け会社が「信用格付け」という指標で評価したものが公開されています。
為替変動リスク
円とUSドルなど外国の為替相場の変動により、外貨建て資産の価値が変動するリスクのことです。
投資信託の場合は一般的に為替変動リスクを回避することを目指す「為替ヘッジあり」と回避することを目指さない「為替ヘッジなし」の2種類があります。
カントリーリスク
カントリーリスクとは、投資している国の政情不安などが起こって、資産が大きく変動するリスクのことを指します。
カントリーリスクを起こす要因は、急激なインフレや政権交代、テロや紛争など様々です。
信用リスクと同じように、スタンダード&プアーズ(S&P)やムーディーズといった格付け会社がカントリーリスクについても評価を公表しています。
「リスク&リターン」を表現する数的指標
一般的に、「金融商品ごとのリスク」を表現する時には、価格変動の不確実性(=ばらつき)を指します。
私も使っている楽天証券のサイトを見ると、リスクはリターンとセットで表現されています。
上の図は「楽天・全米株式インデックス・ファンド」のデータです。 「リターン」と「リスク」のデータが示されています。 「リターン」も「リスク」も一定の期間を切り取って計算します。
リターン(収益率)の計算
リターンは言うまでもなく、どれだけ価値が上がったか(要は益が出たか)のことです。
リターン(期間)= 指定期間の運用におけるファンド収益率
計算式は以下の形となります。
(現在基準価額-指定期間開始時の基準価額)÷指定期間開始時の基準価額
「楽天・全米株式インデックス・ファンド」の直近1年間のリターンは4.41%ですね。
リスク(標準偏差)の計算
次に、リスクの計算です。
リスクは「標準偏差」とも言われます。
ひょうじゅんへんさ 、 ( 英: standard deviation、SD)は、分散の正の平方根である。データや確率変数の散らばり具合(ばらつき)を表す指標の一つである。 出典:Wikipedia
標準偏差の計算はちょっと複雑ですが、ざっくり以下のようにします。
- リスクを計算したい期間のデータの平均値を計算する
- それぞれのデータの平均値からの差(乖離)を計算する
- 平均値からの差(乖離)の2乗を計算する
- 平均からの差の2乗の平均値(分散)を計算する
- 平均からの差の2乗の平均値(分散)の平方根(√(ルート))を計算する
⑤まで計算して出てきた値が、「標準偏差=リスク」ということになります。
「楽天・全米株式インデックス・ファンド」の直近1年間のリスクは33.23%です。
リターン&リスクの考え方
もう少し丁寧に説明すると、「標準偏差(σ )」とは統計的に以下の図のように説明されます。
標準偏差とは「ばらつき具合」を示す指標だと説明しました。
上の図は、以下のように読み取ることができます。
- 「±1σ」 の範囲に収まる確率が68%
- 「±2σ」 の範囲に収まる確率が95%
- 「±3σ」 の範囲に収まる確率が99.7%
つまり、年率の平均リターンが10%で、リスクが10%という商品の場合は1年後の期待リターンは以下のようになるということです。
- 0%~+20%の範囲に収まる可能性が68%
- ▲10%~+30%の範囲に収まる確率が95%
- ▲20%~+40%の範囲に収まる確率が99.7%
「楽天・全米株式インデックス・ファンド」の直近1年間のリターンは4.41%、直近1年のリスクは33.23%となっていますので、この数字を上記に当てはめると
- ▲28.82%~+37.64%に収まる確率が68%
- ▲62.05%~+70.87%に収まる確率が95%
- ▲95.28%~+104.1%に収まる確率が99.7%
となりますね。
「リスク許容度」とは何か
ここまで、リスクとリターンとは何か、計算方法や考え方についてまとめてきました。
投資において、当たり前のことですが未来がどうなるかは誰にもわかりません。
しかし、私は自分が投資しようとしている対象がどのくらいの幅でばらつきが出るのか、マーケットが大きく下落したときに最大でどの程度のマイナスが出る可能性があるのかは、事前に知っておきたいと思います。
その数字を把握したうえで、特に自分が大きな下落局面に直面した際に大きく心を動かされることなく、初めに決めた航路を守って投資を継続できるかどうか。
その「ブレ幅に対する耐性」は人によって違います。
「リスク許容度」とは、「ブレ幅に対する耐性」を指すのだと思います。
いかなる時にも航路を守って、継続的な資産形成を続けるために、定期的に自分の投資している商品についてのリスク&リターンを確認してみてはいかがでしょうか?
※2020年7月18日追記
投資に関するおすすめの情報源について記事を書きました。興味のある方はぜひご覧ください!